ここまで、通関士の合格率について解説してきて、何となく難しいそうな試験だと理解できたと思いますし、実際に簡単な試験ではありません。
しかし、その合格率の低い通関士の試験を合格しやすくする裏技が存在します。
この方法は誰にでも当てはまることではないのですが、一応紹介しときます。
試験科目の一部免除制度を利用する
その方法というのが、試験科目の一部免除制度を利用するのです。
この制度は、通関士の試験全3科目の内、最大で2科目免除されるという得点があります。
つまり、うまくいけば1科目しか受験しなくても良い場合があるのです。
ただし、そのためには以下の条件が必要です。
・通関業者で通関業務に従事したもの。
・官庁で、関税やその他通関に関する事務に従事したもの。
この2つのどちらかの条件を満たしていて、5年以上の経験があれば、「通関書類の作成要領その他通関手続の実務」の1科目免除され、15年以上経験があれば「通関書類の作成要領その他通関手続の実務と関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法」の2科目が免除されます。
通関士の試験は、普段聞きなれない専門用語を使うので、どうしても実務経験者が非常に有利になります。
(ですが、合格者はそれほど多くない)
その上、試験科目も免除されるので、経験者が非常に優遇されていることがわかります。
特に15年以上経験があれば、通関士試験の山場である「関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法」の科目が免除されるので、限りなく合格に近づける事が可能です。
通関業務に関わっている方に有効
しかし、皆さんも感じているようにこの制度を利用できる方はごく一部です。
ちなみに2004年度の試験では、受験者約1万人の内、1科目免除が21人、2科目免除が48人と全体の1%にも満たしません。
それにこの制度を利用して受験するよりも、1から勉強して合格するほうが手っ取り早く資格を取得できます。
ただ、中にはどうしても試験勉強が苦手な方や現在通関業務に携わっている方には、とても有効な制度なので、知っていて損はないはずです。
また、通関業務に携わっているということは、通関士の実態を把握していると言えるので、本当に必要な資格かもしっかりと理解できると思います。
このサイトを見てくれている方で、条件に当てはまる方がいれば是非利用してください。